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2020.03.09
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エコカー

エコカーという言葉をよく耳にしますが、いろんなタイプがあります。今回はこのエコカーについて説明したいと思います。

エコカーは、広義では二酸化炭素(CO2)や窒素酸化物(NOx)の排出量が少ない自動車を指しますが、2009年度の税制改正時エコカー減税の対象として国土交通省が排ガス基準と燃費基準を定めたことで広く認知されました。当時はガソリン車が中心でしたが、その後いわゆるハイブリット車など新しいタイプの車が出てきています。

①ハイブリッドカー(HV)
エンジンとモーターの両方を持つのでハイブリッド(交雑種)です。通常のガソリン車より大容量のバッテリーを搭載しており、市街地など低速ではモーターで走行し、高速ではガソリンエンジンで走ることで燃費が良く排ガスも抑えることができます。
通常のエンジンだけでなくモーターと切り替えて走行するため仕組みが複雑になります。また燃料タンクと大型バッテリーの両方を搭載するため従量も重くなります。またバッテリーの寿命も弱点になります。
ちなみに充電が不要なのはエンジンのエネルギーの一部を使ってバッテリーに充電しているためです。

②プラグインハイブリッド(PHEV)
従来のハイブリッド車を進化させたものがプラグインハイブリッド車です。バッテリー容量も大きくすることでEV走行できる距離を伸ばしています。外部から充電することも可能で、充電した電気を災害時やアウトドアで家電に使えます。
また充電が切れた場合には、エンジン走行も可能であるため、航行距離の不安も解消されます。
反面、ハイブリッド車と同様に構造が複雑になること、バッテリー容量も大きくなるため車両価格も高くなります。

③電気自動車(EV)
EV車という呼び方が一般的になっていますが、エンジンを搭載せずモーターだけで走行します。そのため排ガスは出ず、環境にも優しい自動車です。モーターで走行するためエンジンのような変速ギアは不要です。(ポルシェで2速変速ギア搭載のEV車を開発)
そのため部品も少なく構造上もシンプルになります。本来ならハイブリッドより構造も単純であるため車両価格も安くなりそうですが、バッテリー(リチウムイオン電池)が高価であるため車両価格が高いのが実態です。EV車は走行性能も高く、環境に優しく、構造もシンプルで故障リスクも低い、しかも災害時には充電した電気を活用できると多くのメリットがありますが、バッテリーが高価で車両価格が高くなる。全般的に200Vの充電設備が必要なので、導入には電気工事が必要であることなどはデメリットになります。

④燃料電池車(FCV)
水素と酸素を化学反応させることで発電した燃料電池でモーターを駆動させる自動車です。基本的な構造はEV車と同じです。エネルギー効率が高いため短時間の水素補給で走行距離が長いことも特長です。発電時に排出されるのはH₂O(水)のみで環境にも優しいのですが、燃料を補給する水素ステーションが少なく実用面で不便があること、燃料電池には触媒に白金(プラチナ)を使っているため車両価格が高価であることがデメリットになります。

⑤水素自動車
燃料電池車は水素で電池を充電するものですが、水素自動車は水素でエンジンを駆動させるものです。水素とガソリンの双方を燃料に使用できるタイプもあります。エンジン方式なのでガソリンエンジンを改良して製造できるため比較的車両価格は安くなりますが、水素ステーションが少なく実用面で不便なのは燃料電池車と同様です。

⑥海外の状況
日本国内では、HV車が主流で、最近になりEVが少しづつメジャーになってきましたが、海外ではHVの普及が思ったようにすすまず、エンジン単体で環境性能を高める動きが中心になっています。北米などではガソリン価格が安いため車両価格の差を埋めきれないことも理由です。また電気モーターで走行する市街地の割合が低く、エンジンで高速走行することが多いことも理由にあげられています。
2019年4月EUは、2020年以降の新車(乗用車)のCO2排出規制を乗用車で2030年まで2021年比31%削減目標を打ち出した。まだまだ困難な道のりだが、CO2削減に向けた動きが今後一層加速していきそうですね。