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2020.01.15
でんきが流れるしくみ

バイオマス発電について

バイオマス発電と言われても、何かわかる方はかなり少数派だと思います。
「バイオマス」とは、化石燃料を除く、動植物など生物から作りだされる有機性エネルギー資源で、そのエネルギー源(バイオマス燃料)を燃焼させることで発電する発電方法です。

燃料と燃焼方法で大きく3つに分けられ、1つ目はバイオマス燃料を直接燃焼して蒸気タービンを回して発電する直接燃焼方式。
2つ目は燃焼を熱処理でガス化し、ガスタービンを使って発電する熱分解ガス化方式。
3つ目は燃料を発酵させるなど、生物化学的にガスを発生させ、そのガスをガスタービンで発電する生物化学ガス化方式です。

直接燃焼発電は木くずや間伐材(森林の育成のために間引いた木材)、可燃ごみ、精製した廃油などを燃料として使います。
木くずなどは「木質ペレット」という小さい固形状の燃焼物に、間伐材などは粉砕して「木質チップ」に加工して燃焼効率を高めます。
国内で最も多いバイオマス発電は、ペレットやチップを使う木質バイオマスになります。
蒸気タービン回転させて発電機を動作させる構造で、最終的に発電する仕組み自体は火力発電などと変わりません。

木質バイオマスはタービンを回すための蒸気に間伐材や木屑を燃やしますが、この原料に精油した廃油や可燃ゴミを使う方式もあります。
どの燃料を使うかで発電方式が違いますが、発電所を設置する場所や環境で燃料を調達できることが重要な要件になります。
上の図は直接燃焼方式ですが、蒸気ではなく熱分解したときに発生するガスでタービンを回す方式を熱分解ガス化方式と呼びます。

また生ごみや糞尿、下水汚泥などを発酵させ、発生するバイオガス(メタンガスなど)を燃焼させ、ガスタービンを回す方式を生物化学的ガス化方式(バイオガス発電)と呼びます。大阪阿部野ハルカスでは、この方式を活用してビル内で発電を行っているんです。


さて、、、ここでひとつ疑問がありませんか? バイオマス発電は、燃焼することで発電エネルギーを得ます。燃焼するとCO²など温室効果ガスが発生しますよね?
なのになぜ、環境に優しいエネルギーなんでしょうか?

バイオマス発電は、「カーボンニュートラル」という考え方をもとに成り立っています。燃焼してCO²を発生させたとしても、もともと植物(木材などのもと)は成長する過程で光合成を行いCO²を吸収します。そのため生育→燃焼で+-ゼロだという考え方です。
また化石燃料ではなく、植林等で再生可能であることも踏まえ、再生可能エネルギーだとされています。 少し複雑ですね。