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2020.07.31
原子力のこと

プルトニウムが国内から減らない問題

7月29日のニューストピックにこんなタイトルが出ていました。プルトニウムは以前のコラムで説明しましたが、ウラン燃料に含まれている核分裂を起こしにくいウラン238が、ウラン235が核分裂を起こした際に出す中性子を吸収してできるもので、いわばウラン燃料使った原子力発電の複製物です。
このプルトニウムは核爆弾の原料となりうるため、必要量以上の保有は許されていませんが、ウランとプルトニウムの混合燃料を使うプルサーマル発電が計画通りすすんでいないため、プルトニウムの処理に困っているという状況です。
当初は資源の無い日本において、副産物のプルトニウムが強力な燃料源となるだけでなく「核廃棄物」であるプルトニウムを半減期30年の核分裂生成物に変換することもできるため、プルサーマル発電は一石二鳥の発電方法でした。
現実的にはプルトニウムはウランより核分裂が連鎖しやすく、分裂を制御しにくいため、うまく稼働がすすまず当初計画より10年以上遅れている状況です。
高速増殖炉もんじゅの事故を記憶されている方も多いと思いますが、現時点で国内のプルサーマル発電所で稼働しているのは、関西電力の高浜原発、四国電力の伊方原発の2基。実績があるのも廃炉になった福島第1原発3号機を含め5基で当初目標の16~18基まではほど遠い状況となっています。