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旧式石炭火力発電所が9割休廃止??
7月2日。旧式の火力発電所が9割休廃止するとのニュースが飛び込んできました。
政府が国内の約140基のうち110基を占める旧式発電所を2030年までに100基程度休廃止の対象とし、稼働率の低い発電所から段階的に停止させていく方針です。
2017年度の日本の発電量に占める石炭火力発電の割合は全体の33%程度を占めています。
世界平均は38.5%で日本より高くなっていますが、人口が多く電力使用量が多い途上国も含めた平均であり、スイスの0%をはじめとし、フランス5%、イギリス7%、イタリア12%などヨーロッパではドイツを除いて低くなっています。
ドイツは福島原発事故後、原子力を廃止する方針を掲げ、石炭比率は39%とやや高くなってます。
※ちなみにインド、中国では70%前後を石炭発電が占めています。
そんな背景もあり、海外から日本の石炭発電に対しての批判は多く、今回の方針は国際社会へ脱炭素をアピールする意味合いもありました。
日本の石炭発電所の発電効率は世界的に極めて高いレベルで、2014年段階での発電効率を計測する単位である発電端効率(LHV,% ※発電機の発電量と発生熱量の比率)は、日本が約43%、中国は33%と10%も開きがあります。
ちなみに日本の最新レベルの石炭火力発電所では45%とさらに高くなっています。
これは火力発電所自体の技術革新によるもので、近年はコンバインドリサイクル方式が主流となっています。
コンバインドリサイクル方式とはガスタービン発電で発生した回収熱を再利用して、さらに発電する方式であり、発生した熱源を有効に活用できるため熱効率が高くなっています。
日本は火力発電で使用する燃料も海外からの輸入に頼っているため、少ない燃料を有効に活用するために技術革新が進んだと言えるかもしれません。
いずれにせよ、このような背景もあり、火力発電からの脱却がなかなかすすみませんでしたが、今回の政府方針は新たな一歩につながっていくと言えます。
パリ協定で日本が掲げている2030年に2013年比で温室効果ガスを26%減らす目標に対する道筋はまだ見えていません。
再エネ比率を高めるにしても、主力である太陽光は天候に影響を受けやすく安定供給という側面では課題が山積みです。
しかしながら温室効果ガスの削減は子供たちの将来に向けて重要な課題です。
まずみんながそんな意識をもって、できることから進めていくことが大切ですね。