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新型コロナウイルスから環境問題を考える
今直面している危機は、間違いなく新型コロナウイルスですね。状況も日々変化しており終息の見通しの目途は立っていません。
集団感染による生命の危険だけでなく、様々な企業が事業停止や縮小を余儀なくされており、経済的なダメージが大きくなるのも事実です。
そんな中で、数十年ぶりに北インドのパンジャブ州からヒマラヤ山脈が見晴らされたとのニュースが報道されました。これはコロナウイルスによるロックダウン(都市封鎖)で大気汚染が改善したことが要因のようです。また2月度中国のCO2排出量も前月比25%減となりました。このような経済停滞はエネルギー需要を低下させました。外出禁止令や都市、国境の封鎖、渡航禁止などが運輸燃料や航空燃料の消費減をもたらしました。皮肉なことに、表面上は経済停滞により温暖化ガス抑制の効果があらわれたことになります。
しかし、この状況はごく短期的なものであり、コロナ問題が終息すれば、ある意味リバウンドと言えるほど一気に増加することが考えられます。
むしろ懸念すべきは、この新型コロナ終息後であると感じています。
今年はパリ協定実施に向けての初年にあたり、昨年来世界各国で温暖化抑制に向けて環境活動への気運は高まりつつありました。
しかし新型コロナウイルスにより予定されていた国際会議も軒並みキャンセル、そのため11月に予定されていたCOP26が2021年に延期となりました。
人々の命と健康を守るという観点からも、優先順位では当然のことです。ただ、このことがパリ協定に向け、行動の遅れにつながる可能性は高くなります。
第二に、この間盛り上がりつつあった、政府や消費者レベルでの環境問題に対する関心が低下することです。
東京都は昨年末2050年にCO2排出量ゼロに貢献する「ゼロエミッション東京戦略」をリリースしました。
この計画を遂行するには予算も必要です。新型コロナウイルスにより経済面が停滞すれば、国民生活や経済へ優先順位は当然ながらシフトしていきます。
また世界的に原油価格が低下しており、経済性の優先で、再生可能エネルギーではなく、化石燃料に依存する傾向が高まる可能性もあります。
反面、緊急事態宣言による外出規制でこれまでの企業活動は変更を余儀なくされました。
これまで大勢が集まって開催していた会議をテレビ会議に変更したり、メール等の活用で大幅に業務短縮も進み、新たな働き方への転換につながったともいえます。
少なくとも移動が減少したことは環境面の負荷軽減にも役立っていると言えます。
新型コロナウイルス終息後は、もとに戻すのではなく、良いことは良いこととしてこれからの私たちの生活のために活かしていければいいですね。