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2020.01.18
再生可能エネルギー

FIT制度のこと

ゼロでんきにも使われているFIT制度(Feed-in Tariff) のこれからについて少し触れたいと思います。
FIT制度とは再生可能エネルギーを国が固定価格で買い取ることにより、再生可能エネルギーの普及拡大しようとする制度です。


FIT制度が開始したのは2009年ですが、そのときは住宅用太陽光発電のみでした。
2012年産業用太陽光発電でFIT制度が導入されるまでは、2003年度より産業用はRPS(Renewables Portfolio Standard)制度で運用されていました。RPS制度とは再生可能エネルギー利用割合基準制度とも呼ばれ、電気事業者に対し一定の割合の新エネルギー(風力、太陽光、地熱、水力、バイオマス)による発電を義務付ける制度でした。

2012年から10kW以上の産業用太陽光発電の固定買取(FIT制度)が導入され、国内の再生可能エネルギーが拡大しました。
この制度は再生可能エネルギー導入初期の普及拡大と、それを通じたコストダウンを目的としていたこともあり、開始当初の買取金額は家庭用では48円(税込)で10年、産業用では40円(税抜)で20年と販売価格より高額であったこともあり、太陽光を中心に再生可能エネルギーが飛躍的に拡大しました。※2011年度の発電電力量に対する再エネ比率は水力を除いて2.7%でしたが、2017年度では8.1%まで拡大しています。


ソーラーパネルなどの設備コストは普及に伴い価格が低下し、FIT買取価格も年々低下していますが、それでも高単価であり、その費用負担は再エネ賦課金として電気料金に含まれて、結果的に国民が負担しています。ちなみに2019年度の再エネ賦課金総額は2.4兆円で標準家庭で電気料金として1万円程度負担していることになります。

再生可能エネルギーは2030年に向け拡大していかねばなりませんが、国民負担をこれ以上大きくすることもできません。また現行FIT制度の財源も厳しくなってきており、この点も踏まえ見直していく必要があります。


日本の再生可能エネルギーの発電コストは欧州と大きく格差があり高くなっています。
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の報告では、2018年に再エネ設備のコストが最低記録を更新し、太陽光と風力発電のコストは多くの国で3~4円/kWhとなったとのことです。

FIT制度はあくまでも時限的な特別措置として創設されたものであり、2020年度末までに抜本的見直しをすすめる予定となっています。ちょっと固い話になりましたが、このあたりの話は私たちの生活に重要なことですので、また発信していきたいと思います。